セラミックタイルは今日では、建築用資材としてフロアータイルや壁材など幅広く使われています。利用されるタイルもインテリアと外装用ではデザインや素材は全然違います。インドのセラミックタイル産業は経済全体の成長スピードよりも強く安定的に年率15%程で推移しています。過去5年間の投資額の総額は500億ルピー(日本円で約900億円)に達しました。インドのタイル産業のマーケットサイズは約1800億ルピー(日本円で約3400億円)です。*2012年統計
2011年-2012年の生産面積は8億平米に達しています。

インドのタイル産業は組織部門(Organized Sector)と非組織部門(Unorganized sector)に分かれます。それぞれは従業員数や雇用条件などによって分かれるのですが、
タイル産業において組織部門(Organized Sector)は約14の企業によって構成され、その規模は約720億ルピー(日本円で約1300億円)です。反対に非組織部門(Unorganized sector)はその一つ一つは小規模ながらタイル産業全体の成長の60%以上に影響力を持ちます。

インドはタイル生産において世界のトップ3に入る国家です。的確な生産計画と高い品質管理で輸出量を確実に伸ばしています。セラミックタイルの製造は年間約6.8億平米となり、今日では大きな産業として成長するまでになりました。さらにその成長ポテンシャルはさらに巨大な規模になることは確実だと言われている背景的な要因として近年成長著しい住宅、小売、ITやBPO(業務プロセスアウトソーシング)があります。

特に住宅部門においてはインド政府の後押しもあり、今インドでは住宅ブームに拍車がかかっています。その堅調な成長は当然の如くセラミックタイル産業を拡大させる最も大きな要因と言えます。同時にインド経済において小売業も大きく拡大し商品のバリエーションや品質向上に対する需要を作り、それら全体の経済規模の拡大がセラミックタイル産業になによりも重要な成長要因になっています。

主要な商品には壁タイル、フロアータイル、磨きタイル(鏡面タイル)、工業タイルがあり、マーケットシェアとしてはそれぞれ、20%、23%、50%、7%です。
タイルにはデザインや質感、表面加工により多種多様なバリエーションがあります。それらは質素なものから光沢のあるモダンな大理石デザインまであらゆる要望に対応します。

製造工場にはトンネルキルン(トンネル窯)などの伝統的な製造方法と高速一回焼法(シングルファイヤード)の両方が導入されており、インドにおいては最新の焼成方法が導入されている工場も見ることができます。

また、技術面や潤沢な素材、インフラ設備など比較的大きな資本が必要な産業にも関わらず、消費者にとっても嬉しい独特な差異化も生まれています。

雇用面でも55万人以上がこの産業に従事しています。内訳として5万人が直接的に、50万人が間接的にこの業界で雇用されています。そしてこの業界の可能性はインド国内消費をいかに伸ばせるかがカギとなります。

中国やブラジル、マレーシアの1人あたりのタイル消費は2平米であることに比べインドでは1人あたり0.5平米とまだまだ少ないのが現状です。

インドのタイル産業も低下するマージンや過剰参入という国際的なトレンドに追従します。マレーシアやタイ、インドネシア、スリランカ、ベトナムなども自国での生産を始めました。中国は主要なライバルです。スペインとイタリアは低い輸送コストでアメリカやドイツへの輸出において高い優位性を持っています。

インドでは1人あたりの消費量が0.5平米です。これが中国では2.6平米、ブラジルは3.4平米、ヨーロッパにおいては5-6平米です。各国と比べたこの低い消費量は住宅供給がまだ追いついていない中産階級40万世帯の成長が巨大なポテンシャルを持つことを意味します。

近年のセラミックタイル業界の大きな変化としては、磨きタイルと磁気タイルの登場です。これらの新しくエレガントなタイルは瞬く間に市場を奪い、今ではタイル市場の過半数を占め国際的にも主要な人気商材になりました。

冒頭に述べた組織部門(Organized Sector)の720億ルピー(日本円で約1300億円)にものぼる規模は、これらの新しいタイルが大きく貢献しました。それによりさらに多くの企業の業界参入を促していることはインドのセラミックタイル産業の将来が有望であることを予測させます。

輸出面ではまだまだ伸びしろがあるインドのセラミックタイルですが、その成長速度が加速度的である以上今後世界でメジャーになることはそう遠くないと言えます。


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